アレルギー検診
Allergy Screening
アレルギー科について
アレルギーとは、特定のアレルゲンによって、目や鼻、耳、気管、皮膚などに様々な症状が現れる状態です。花粉症やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、気管支喘息などがあります。当院では、主に皮膚のアレルギーを中心に診療しておりますが、花粉症などの症状には、点眼や点鼻なども併せて処方しております。
主な疾患
花粉症
スギやヒノキなど特定のアレルゲンに対して、鼻水や涙、目のかゆみなどのアレルギー症状が現れる状態が花粉症です。特に多く見られるのが、2月末頃から起こるスギ花粉症です。スギ花粉症は年々発症する人が増えており、スギ花粉の飛散量増加とともに食習慣の乱れや大気汚染など地球環境などが影響していると考えられています。花粉症は、鼻水や目のかゆみ、咳などの症状だけのこともありますが、重篤な場合は呼吸困難のような症状が起こることもあります。花粉の飛散時期に対策を行うことも重要ですが、花粉の飛散前に治療を行うことで、症状を抑えることができます。
花粉症の治療について
もしかして花粉症かも?という方は、早めに医療機関を受診されることをお勧めしています。原因(アレルゲン)を特定することで花粉症の対策をすることができます。当院では、患者様の症状やライフスタイルに応じて、内服薬は、以下の薬剤などを処方しております。
薬剤 | 飲み方 | 眠気 | 作用 |
---|---|---|---|
アレグラ | 2回/日 | 0.1~5% | やや強い |
クラリチン | 1回/日 | 1%以上 | やや強い |
ピラノア | 1回/日 | 1%未満 | 強い |
エパステル | 1回/日 | 1%以上 | 強い |
アレジオン | 1回/日 | 0.1~5%未満 | 強い |
デザレックス | 1回/日 | 2%未満 | 強い |
ザイザル | 1回/日 | 0.1~5%未満 | かなり強い |
アレロック | 2回/日 | 5%以上 | かなり強い |
その他には、点鼻薬としてアラミスト、インタール、ナゾネックスなどを、点眼薬としてパタノール、リザベン、リボスチン、アレジオンLXなどを処方しております。
花粉症かな?と感じたら
鼻水やくしゃみ、咳などの症状は風邪でも起こりますが、風邪と花粉症では症状が少し異なります。同じ鼻水であっても、花粉症の鼻水は水のようにサラサラと落ちてきますが、風邪の場合は黄色い粘性のある鼻水が出てきます。花粉症と風邪の見分け方は以下の通りです。
症状 | 花粉症 | 風邪 |
---|---|---|
目のかゆみ | かゆみがある | かゆみはない |
鼻水 | サラサラした鼻水 | ネバネバしている鼻水 |
くしゃみ | 立て続けに出てくる | 立て続けには出ない |
咳 | 乾いた音「コホン」 | 重たい音「ゴホン」 |
発熱 | 平熱から微熱 | 平熱から高熱 |
花粉症は、花粉の飛散時期予報をしっかりと確認しながら、早めに対策を取ることをお勧めしております。特に花粉飛散量が多い日は外出を控えたり、外出時の眼鏡やマスク、帽子などの防備をしっかりすることが大切です。また、外の花粉を家の中に持ち込まないように帰宅時に花粉を払うこと、こまめに掃除をすること、空気清浄機を使用して花粉を除去するのもお勧めです。帰宅後は、手や顔を洗ったり、うがいをして花粉を洗い流すようにしましょう。症状がつらい場合や、花粉症の予防治療をご希望の場合は、当院までお気軽にご相談ください。
食物アレルギー
食物アレルギーは、特定のアレルゲンとなる食べ物を口にしたときに、アレルギー症状が現れる状態を言います。食べたすぐ後、1時間以内に蕁麻疹や腹痛などが起こる場合を「即時型」といいます。一方、食べてから数時間以上空いてからアレルギー症状が現れるのを「遅延型」といいます。特定のアレルゲンに反応するIgE抗体(免疫グロブリンE)やT細胞が、再度アレルゲンとなる食べ物を体内に入れた際にアレルギー反応を起こして、症状が現れます。また、食物アレルギーとは別で、食品中に含まれる仮性アレルゲンによってアレルギー症状とよく似た症状が起こることもあります。具体的な食品には、サバ、ナス、タケノコなどに含まれるヒスタミン様物質や、じゃがいもなどに含まれるサリチル酸化合物などがあります。 食物アレルギーの治療としては、原因となるアレルゲン(食品)を口にしないことになります。また万が一、症状が出てしまった場合には、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服、ステロイド外用薬を適宜使用していきます。
食物アレルギーの症状
即時型の場合、蕁麻疹や発赤、顔面が腫れるなどの皮膚症状、下痢や腹痛などの消化器症状、鼻水や鼻詰まり、喉のイガイガや喉が詰まる感じ、まぶたの腫れ、結膜の充血やかゆみ、息苦しさや咳などが現れます。重症化すると、血圧が下がってアナフィラキシーショックを起こすこともあります。また、口腔アレルギー症候群の場合、果物などがアレルゲンとなって唇の腫れやかゆみ、口内炎などの症状が起こります。一方、遅延型の場合は、アレルゲンとなる食べ物を体内に入れて数時間経過後に症状が現れ、下痢やアトピー性皮膚炎などの症状が悪化します。
アレルギー性皮膚炎
アレルギー性皮膚炎は、アレルギーが原因の皮膚疾患の総称です。アレルギー性皮膚炎の原因としては、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎などがあり、どれも激しいかゆみを引き起こします。主な症状は皮膚の激しいかゆみで、放置すると悪化することもあります。 治療方法としては、まずはアレルゲンを摂取したり触れたりしないようにすることです。また、皮膚のバリア機能が低下すると、皮膚が乾燥し、傷つきやすくなるため、肌をしっかり保湿してバリア機能を強化します。入浴後や手を洗った後には、保湿クリームなどを使用して肌を保湿するようにしましょう。さらに、アレルギー体質を改善することも重要です。食事や生活習慣を見直し、体質を改善することで症状を和らげることができます。
アレルギー性鼻炎
花粉やハウスダスト、ダニなどのアレルゲンを吸入することで、鼻水、鼻づまり、くしゃみなどのアレルギー症状が現れます。アレルギー性鼻炎には、季節性と通年性の2つのタイプがあります。季節性アレルギー性鼻炎は、スギやヒノキなどの花粉が原因です。一方、通年性アレルギー性鼻炎は、ダニ、ハウスダスト、カビ、ペットの毛などが原因です。風邪ではないのに鼻炎の症状がある場合、それはアレルギー性鼻炎の可能性があります。 アレルギー性鼻炎の治療方法には、症状を薬剤で軽減する薬物療法と、アレルゲンを体内に投与して症状を軽減するアレルゲン免疫療法の2つがあります。当院でも、ダニアレルギーやスギ花粉症と診断された場合、保険が適用されるアレルゲン免疫療法を行っています。