パッチテスト(アレルギー性接触皮膚炎検査)
Patch Test
パッチテストについて
化粧品などに含まれるアルコールや香料、防腐剤、ゴム製品に含まれる樹脂、毛染めの原料など、アレルギー性接触皮膚炎(かぶれ)の原因として推定される物質はさまざまです。 パッチテストでは、数ある原因物質の中でもジャパニーズスタンダードアレルゲン※と呼ばれる物質をシール状のパッチに含ませ、皮膚に直接貼ることで、アレルギー反応が生じるかどうかを調べます。 当院のパッチテストは保険適応となっており、ジャパニーズスタンダードアレルゲンのうち22種類の物質を1度に検査できる佐藤製薬社製の「パッチテストパネル®(S)」を使用しています。
パッチテストの検査項目
ニッケル(金属)
アクセサリー(ピアスなど)、腕時計、ベルトのバックル、携帯電話、ビューラー、歯科用金属など
ラノリン(油脂)
化粧品、塗り薬、つや出しなど
フラジオマイシン(抗生物質)
塗り薬、目薬
クロム(金属)
革製品(靴、ブーツなど)、クロムメッキ、染料、歯科用金属、なめし剤など
カインミックス(局所麻酔剤)
ーアミノ安息香酸エチル
ージブカイン塩酸塩
ーテトラカイン塩酸塩
塗り薬、局所麻酔剤
香料ミックス(香料)
ーα-アミルシンナムアルデヒド
ーイソオイゲノール
ーケイ皮アルデヒド
ーオイゲノール
ーケイ皮アルコール
ーヒドロキシシトロネラール
ーゲラニオール
ーオークモス
食品、化粧品、香水、石鹸、キャンドル、塗り薬、トイレットペーパーなど
ロジン(樹脂)
ー精製松脂
インク、ニス、塗料、ワックス、化粧品、接着剤、滑り止め(野球のロジンバック)など
パラベンミックス(防腐剤)
ーメチルパラベン
ーエチルパラベン
ープロピルパラベン
ーブチルパラベン
ーベンジルパラベン
食品、化粧品、塗り薬、シャンプー、リンス、石鹸など
ペルーバルサム(樹脂)
香料、化粧品、アロマオイル、日焼け止め、ソフトドリンクなど
金(金属)
貴金属、アクセサリー、電子部品、歯科用金属など
コバルト(金属)
歯科用金属、セメント、インク、絵具、鍵、ファスナー、エナメル、ビタミンB12製剤など
p-tert-ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂(樹脂)
ゴム・革製品(鞄、時計のベルト、帽子など)の接着剤
エポキシ樹脂(樹脂)
電化製品の接着剤や塗料、コーティング剤など
カルバミックス(ゴム硬化剤)
ゴム製品(靴・ブーツ、ゴーグル、イヤホン、医療用手袋など)
黒色ゴムミックス(ゴム老化防止剤)
黒色のゴム製品(タイヤ、ベルト、ホース、手袋、ゴーグルなど)
イソチアゾリノンミックス(防腐剤)
ークロロメチルイソチアゾリン
ーメチルイソチアゾリン
外国製化粧品、シャンプー・リンス、ウェットティッシュ、工業用防腐剤
メルカプトベンゾチアゾール(ゴム硬化剤)
ゴム製品(靴・ブーツ、ゴーグル、ウェットスーツ、医療用手袋など)
パラフェニレンジアミン(染料)
おしゃれ染め、白髪染め、織物・毛皮などの染料、インク、ヘナタトゥなど
ホルムアルデヒド(防腐剤)
衣類の仕上げ剤、接着剤、染料など
メルカプトミックス(ゴム硬化剤)
ゴム製品(靴・ブーツ、ゴーグル、ヘッドフォン、コード、ホース、消しゴムなど)
チメロサール(防腐剤)
ワクチンなどの注射用洗剤
チウラムミックス(ゴム硬化剤)
ゴム製品(靴・ブーツ、接着剤、ゴーグル、ヘッドフォン、プラグ、ホースなど)
パッチテストの流れ
Step1 ドクター診察・カウンセリング
まずは診察にて症状などをお伺いし、パッチテストが適応かどうかの診断を行います。
Step2 パッチテスト開始日
22種類の試薬を含むパッチを背中に貼ります。パッチは、48時間貼りつけたままにします。
Step3 2日後(48時間後、1回目判定)
パッチを貼ってから2日後、判定のためにご来院いただきます。
パッチを剥がし、30分ほどおいてから、皮膚の状態を診察します。
検査が終了するまで、検査部位をこすったり、強く洗ったりなどしないよう注意しましょう。
Step4 3日後(72時間後、2回目判定)
再度ご来院いただき、皮膚の状態を診察します。
パッチを貼った部分の炎症、かぶれ状態から、アレルゲンとなる物質を特定します。
Step5 7日後(3回目判定)
遅発型反応を観察するために、3回目の判定を行い、検査を終了します。
パッチテストのスケジュール例
判定日が1つでも日曜日や祝日の場合は、そのスケジュールで検査を行うことができません。
また、検査当日から2回目判定(3日後)を終えるまでは、パッチテスト部分(主に背中や二の腕)を濡らすことはできません。湯船に入ることはできませんが、頭や下半身などのシャワー浴は可能となっています。
図のスケジュール例を参考に、あらかじめ、検査後のご予定を確認の上、検査を受けるようにしてください。
※当院は日曜と祝日が休診日です。
注意事項
・パッチを貼っている間は、検査部位を濡らさないよう注意してください。湯船に入ることや汗をかきやすい行動も控えてください。試薬が流れてしまったり、汗で赤みが出てしまい、適切な判定ができなくなります。
・抗ヒスタミン剤やステロイド剤を内服をしていると、正確な判定ができなくなります。内服している方は、事前診察の際にお伝えください。
・塗り薬などの外用薬を使用中の場合、検査部位やその周囲でなければ、使用を続けても問題ありません。
・パッチテスト開始から判定終了までの日程がずれてしまうと、正しい判定ができなくなります。また、炎症やかぶれなどが生じた場合、迅速な処置ができなくなり、症状が悪化してしまうこともあります。パッチテスト(アレルギー性接触皮膚炎検査)をご希望の方は、事前にスケジュール調整をしていただき、予定通りに受診していただくようお願いいたします。
・陰性(問題なし)と判断された場合でも、パッチテスト以外の条件下でアレルギー性接触皮膚炎を引き起こす可能性は否定できませんので、あらかじめご了承ください(偽陰性の可能性)。